M[エム]

『県庁の星』

投稿日時 2008-6-4 23:54:20
執筆者 M
原題:−
製作年度: 2006年
別題:−
製作国・地域: 日本 上映時間: 131分
監督:西谷弘
製作:島谷能成、亀山千広、永田芳男、安永義郎、細野義朗、亀井修
プロデューサー:春名慶、市川南、臼井裕詞、岩田祐二
エグゼクティブプロデューサー:石原隆、中山和記
企画:永田洋子
原作:桂望実 『県庁の星』(小学館刊)
脚本:佐藤信介
撮影:山本英夫
美術:瀬下幸治
編集:山本正明
音楽:松谷卓
照明:田部谷正俊
録音:武進
助監督:廣田啓
出演:
織田裕二 野村聡
柴咲コウ 二宮あき
佐々木蔵之介 桜井圭太
和田聰宏 浜岡恭一
紺野まひる 篠崎貴子
益岡徹 浅野卓夫
ベンガル 来栖和好
矢島健一 北村康男
渡辺哲 根岸男作
奥貫薫 佐藤浩美
山口紗弥加 田畑美香
井川比佐志 清水寛治
中山仁
梅野泰靖
有薗芳記
大高洋夫
峯のぼる
酒井和歌子 小倉早百合
石坂浩二 古賀等
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
K県庁のキャリア公務員、野村聡。プライドが高く、組織の中でいかに出世するかが人生の目的のすべてという極端な上昇志向の持ち主。ある時彼は、県政の目玉プログラムである民間企業との人事交流研修のメンバーに選出される。ところが、派遣されたのは田舎の三流スーパー“満天堂”。しかも、野村の教育係となった二宮あきは自分より年下のパート店員。それでも出世のためと意気込む野村だったが、書類とマニュアル優先の仕事しか知らない野村はまるで役に立たず、現場主義で実戦派の二宮ともことごとく衝突してしまうのだった。

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コメント:
田舎の三流スーパーへ派遣されるK県庁のキャリア公務員の野村聡。それまでは“お役所”でマニュアル通りの仕事しかしていなかった彼は、スーパーではその常識が一切通用しない現実を思い知らされる。最初は経営者やパートさんらとすれ違いの毎日だったが、スーパーの経営破綻の危機をきっかけに、本当に大切なものを学んでいく姿を描く。

設定はそんなに珍しいものでもなく、『スーパーの女』と何かを足して2で割ったような感じ。ストーリーもほぼ先が読める内容だが、セリフや演出の細かいところで「官」と「民」の違いを意識させられ、そのひとつひとつを自分の仕事と置き換えて観る事により、面白さを感じることのできる作品だ。

「県庁さん、県庁さん」

と、本編で何度も聞くセリフがある。スーパーで働く人間からすれば県庁から来た人間は所詮「官」の人間。”お役所”仕事で来た人間の名前なんか別にどうでもいいわけで、県庁の人間は全て一纏めにしたい気持ちがよくわかる。僕も仕事柄「民」の立場であるため、そういったところで共感できるものが多々あった。

『踊る〜』などでいつも熱い演技を見せてくれる織田祐二だが、本作では坦々した表情で演じていることシーンがほとんどだ。だが時折見せる内に秘めた野望がうまく演技に反映されており、別の意味で熱い演技を見せてくれていたのが良かったと思う。柴咲コウの喜怒哀楽を使い分けた演技も流石である。こういった映画には脇役も重要で、店長やその他パートのおばさん、惣菜担当の外国人など全ての人間がそれぞれの役割をちゃんと演じておりバランスの取れた作品に仕上がっている。

ラストでは全てがハッピーエンドとなるわけでもなく、民間の厳しい現実を多少なりとも織り交ぜていたのはよかったのではなかろうか。まあこれは映画なのだから、映画として観るには何も当たり障りがないだろう。現実はこんなにうまくいくはずがないということは誰でも知っているのだから。




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